そうだ、これは

玉投げたい、とワガママを言って、スコア80そこそこの、下手くそに付き合ってもらい。

待ってる間に暇潰しでやってたメダルゲームでジャックポット入ってまさかの大当たりメダル２ケースどうしよう。

居酒屋で昼から飲み食い、当然そのままホテルに行く。

そうだ、これは不倫なんだ。

藤後先輩の裏工作を聞くたびに、少し胸が痛む。

この痛みは嫁にではなく、私にだ。

私は幸せなんだろうか？

キレイと言ってもらえることも、ビジネスの会話でぐぅの音も出ないことも、やりたくないことをやりたくないと言えるのも、ベラベラととりとめもなく愚痴やらなんやらを聞いてもらえるのも、私には必要で。

腕を抑えて動けなくされるのも、体重も、汗も、私が欲しいもので。

でも、藤後先輩である必要は、無いのかもしれないよね？

普通に、ごく普通に考えたら、私は人事なのに、なにやってんだか。

明るみに出たら会社辞めるくらいのインパクトだけど、罪悪感はないって、もう倫理もくそも無いよね。

少子化対策なのか知らないけど、最近ゴム置いてないホテル多すぎ。

信じられない。

で、藤後先輩のカバンから出てくるんだけど、それはご家庭のとは別口なんでしょ。私は在庫数数えてたもんちゃんと。そしたら、在庫管理してるのは俺の方って、なんかとっても悔しくて嫌な感じ。

生活感、死ね。

もう抱かせてやんない。

３月は別れの季節。４月は出会いの季節。

自ら決めた異動チェーンが動いていく。